Première étoile

舞台俳優のおたく

舞台『魔界転生』 感想

ディプソー!

みなさんこんばんは、連投失礼します。

暇なので書けるうちに書いておく。

11/9.18でめちゃくちゃ面白い舞台観てきました!!!

 

日本テレビ開局65周年記念舞台『魔界転生

makaitensho.jp

先月の博多座からはじまり博多/東京/大阪と全77公演約3か月のロングラン公演だそうです。長いね〜!

 

推しくんは出ておりませんが実は魔界転生、ずっと気になっていました。

たしか4月の薄ミュで明治座に行った時に貼ってあったポスターで公演を知ったんですよね。タイトルのインパクトがでかくて(主に字面とフォント)「何これ強そう!!!」って思ったのを覚えています。

 

それとYouTube博多座チャンネルで村井さん玉城さん松田さんが出演されている「MAKAI MAGIC TV」シリーズが面白くてちょこちょこ見てました。このお三方の組み合わせがバランス取れていてすごくすき。玉城さんがお酒をご所望される場面がかわいくてだいすき。玉城裕規×お酒=かわいい。みなさんぜひ観て下さい。

 

www.youtube.com

 

楽しすぎて大阪遠征も視野に入れてるレベル。できるならもう一回観たい~!

 

 

※以下感想です。当然のようにネタバレ含みますので、これから観るよ〜という方はご注意ください!

 

物語は山田風太郎原作の小説。1981年深作欣二監督作の映画版が有名らしい。母親も知ってた。沢田研二の四郎さまは妖しげでえっちで人外感が半端ない。

「気になる女がいるなら、犯せ。」

こんなんジュリーの四郎さまじゃないと許されない台詞やで…?溝端淳平さんの四郎さまはもう少し人間ぽくて冷静で、淡々と作戦を実行している感じかな。どっちの四郎さまも好き!!!

 

深作版で細川ガラシャ様が転生されたのが舞台では淀君になっていたり、きり丸ではなく今回は根津甚八がでてきたり。ちょこちょこ過去の魔界転生とは違うテイストで魅せてくれました。

 

話の進み方としてはナレーションもあるしどこでなにが起こっているのかを日本地図で教えてくれたから、日本史を忘れかけているおバカさんはとても助かった。

スクリーンの投影中に透かして役者の演技みせるのはうまいな〜よく分かんないけどテレビの演出っぽさを感じる。でもテレビ局主催ならもっと映像に力を入れられるのでは…?笑

島原の合戦で石垣から落ちる雑兵が雑すぎて…人死んでる描写だし笑えねえよなあと思いながらも反応せずにはいられなかった。

あと度々出てくるあのドでかい髑髏がなんか異常にちゃっちかったけど、あれはむしろ愛嬌があって愛おしさすら感じるね。

 

今回は花道もせりもなかったけど、なんか大きい動く高台が大活躍してました。ランニングマシーンみたいに人歩いてるのにそこから動いてないしなんか、すごい……。(小並感)

 

特に気にして観ていた役者さんの感想をちょこっとずつ。

 

■上山隆也さん(柳生十兵衛

カッコいい…!!!上山さんの十兵衛はどこか達観していて、おおらかで器が広くてどーんと構えていて男らしい。四郎さまとの決戦で四郎さまを神の子ではなくひとりの少年として向かい合うシーンで十兵衛のやさしさが溢れていた。

みんなに慕われていて、自分も仲間を大切に思っているのに、仲間を守るため最後ひとりで背負って旅に出で、誰も寄せ付けないのが切ない…旦那ァ…。

 

溝端淳平さん (天草四郎役)

ああ美しき四郎さま……

なぜあなたの舌はそんなにまわるの????

魔界転生の呪文を唱える四郎さま、あのスピードでよく舌まわるな〜と感心しました…。

小さい頃に両親をなくし、神の子と祀り上げられ多くを背負いわずか16歳で生涯を終えた彼の生きた道筋が壮絶すぎて人生ジェットコースターどころじゃない…。

 

松田凌くん(北条主税役)

松田凌くんのお芝居ずっと見てみたかった…!

凌くんは初代薄ミュメンバーで斎藤一を初舞台初主演で臨まれたという薄ミュ界伝説のキャスト様。凌くんは身体はそこまで大きくないのに抜群の存在感がありますね。十兵衛への信頼も厚く、お鈴ちゃんとの恋愛もあり、坊太郎との関係も涙なしには語れない。見せ場の多い役どころだったなあ。坊太郎との最後の闘いは魔界転生個人的泣けるシーンランキング堂々の1位です。

 

■玉城裕規さん(田宮坊太郎役)

坊太郎すき〜〜〜!!!!!!再び刀を振るえるという心からの悦びが直結した純粋な歓喜と狂気を孕んだ笑い声が玉城さんのあの人間らしからぬ美しいお顔とベストマッチしてた。主税との居合で刀を抜けないの、めちゃくちゃ切ない…坊も友でありたいと思っているよな、魔界衆だってもとは人間だし心は捨てきれないよな…。

常ににっこにこしてる玉城さんなんてなかなか見る機会がないから非常に新鮮!あんなに愛らしい笑顔で笑うのね……いや、普段の玉城さんもなんくるないさの精神を持つお茶目な沖縄人だけど。

 

■村井良太さん(根津甚八役)

甚八すき〜〜〜〜〜!!!!!!!!今回の魔界転生になくてはならない存在が彼。吉原で女装で登場し、十兵衛によく懐き、普段はひょうきん者だけど実は義理堅い熱い男の魂を持つ甚八に会場のお客さんみんなが一気に心を掴まれたはず。何よりも村井さん、声がとっても優しくて凛々しいの…すごいの…。

私の中で村井さんといえば戦国鍋TVの信長様!拡樹さんとの敦盛2011は永遠です。あとは私が勝手に愛読しているはてブのブロガーさんの推しが村井さんらしく、その方のブログが愛に満ちているので「一体どんな演技をするんだろう」と気になっていました。1つ1つの動きが丁寧なとても素敵な役者さんでした。

 

高岡早紀さん(お品役)

お品さんとっても綺麗でお肌がツヤッツヤ。真珠肌ってよく言いますよね、まさにそれ。淀君様との嫁姑争い(ちがう)はお品さんの秀頼を愛し、息子を思いやる力強い意志を感じられる迫真の演技でした。

 

松平健さん(柳生宗矩役)

あまりの迫力に声を聴いただけでゾワっとした。

なぜ宗矩が魔界に転生するのか実際に見るまで想像できなかったのですが、彼も剣豪として十兵衛のような好敵手と思う存分やり合ってみたかったのね…。父親以前に彼もまた一人の武士という訳ですね。そりゃ仕方ない転生するわ。

小学2年生の時に運動会でマツケンサンバを踊ったことを思い出した。松平健さんの殺陣を生で拝見する機会が訪れるとは夢にも思っていなかったので感無量です。構えからして圧がすごい。素早く滑らかな太刀筋が美しい。そしておそらく一撃がすごく重い。かっこいいなあ。

 

舞台 魔界転生は総じて愛の物語であると感じました。

品と四郎や宗矩と十兵衛、淀君と秀頼などの親子の愛、柳生衆の仲間への愛、坊太郎と主税の友への愛、あとは主税のお鈴への愛も。

四郎がいちばん求めていたものも、復讐よりも両親からの愛だったんだろうなあ。お品さんだって愛ゆえに四郎のためを思って姉を演じていたんだから…愛って難しい。

 

この舞台、楽しかった!!!って気持ちと沢山の人間ドラマを一気に受け止めた衝撃で見終わった後長い時間ぽーっとしてしまう。

面白かった〜また観たいなあ…。

 

私が来月大阪遠征していたら、こいつやりやがったなとでも思って下さい。笑

 

推しくんがこんな素敵な作品に出会えることを願います。